バーチャルオフィスの選び方|契約前に確認したい11のチェックリスト

- バーチャルオフィスを探すと数が多く、どこがいいか分からない
- 選び方で失敗したくない
- 選ぶときに、何を優先すればいいか知りたい
バーチャルオフィスを探すと、その数の多さに驚くはずです。特に都内は増えていて、運営会社によって料金・サービス・オプションが異なるため、自分に合うものを見つけるのは簡単ではありません。
安いところを選びたくなりますが、安さだけが魅力で、サービスが不十分だったり、あとからオプションで高額になったりすることがあります。この記事では、初めて利用する方のために、契約前に確認したい11のチェック項目を、図解を使って整理しました。
この記事の結論
月額の安さだけで選ばず、「総額」と「自分に必要なサービスがあるか」で比べましょう。契約前に確認すべき項目は、料金・契約・サービス・場所と設備の4分野、11個です。
- 料金:入会金・月額料金・それ以外の費用(保証金・預り金・転送手数料・年会費)を合計で見る
- 契約とサービス:最低契約期間、郵便転送の頻度と連絡、法人登記の可否と追加料金
- 場所と設備:有人か無人か、自宅からの近さ、会議室・作業スペース
目次
料金の確認ポイント
バーチャルオフィスの料金は、「入会金」「月額費用」「それ以外の費用」の3つに分かれます。入会金や月額を安く抑えたくなりますが、大切なのはトータルの費用です。
よくあるのが「入会金無料」のキャンペーンです。しかし、入会金が無料でも、月額が他社より高ければ、トータルでは割高になることがあります。また、入会金と月額のほかに費用がかかる場合もあるため、事前の確認が欠かせません。
入会金・事務手数料などの初期費用
バーチャルオフィスの費用は、初期費用(イニシャルコスト)と、毎月の費用(ランニングコスト)に分かれます。入会金の考え方や金額は、事業者によって異なります。月額料金が安くても、入会金が高い場合もあります。
郵便転送や電話転送のサービスでは、郵送料金や通話料金の預託金(デポジット)を、最初に入金する場合があります。後払いの形式では、保証金を請求されることもあります。キャンペーンで入会金が0円でも、こうした預り金や保証金が必要な場合があるため、契約時に確認しましょう。
- 入会金はいくらかかるか
- 入会金のほかに、保証金や預り金は発生するか
月額料金はいくらか
月額料金は、選び方で最も重要な項目の一つです。料金は事業者によってまちまちで、一般に、住所の立地(駅近・一等地・設備が充実した建物)が良いほど、高くなる傾向があります。レンタルオフィスが運営するバーチャルオフィスも、料金が高めなことが多いです。
月額は、1万円以上のものから、1,000円以下のものまであります。ただし、極端に安い場合は注意が必要です。郵便転送料が月額に含まれていないと、郵便を受け取るたびに別途費用がかかります。法人登記に別途の月額が必要な場合や、受け取れる郵便物の件数に上限があり、超えると追加費用がかかる場合もあります。事前に、受け取る郵便物の量を想定しておきましょう。
- 月額料金に対して、どんなサービスが含まれるか
- 月額利用料はいくらか
- 支払いは、毎月払いか、半年・1年の一括払いか
入会金・月額以外にかかる費用
入会金とは別に、次の費用が別途かかる場合があります。一見、月額が安く見えても、こうした目に見えにくい費用があることを、理解しておきましょう。
- 保証金:月額などの利用料が未払いになった場合に、補填するためのお金
- 預り金(デポジット):郵便の郵送費用や、転送電話・電話代行の通信費用に充てるお金
- 郵便転送手数料:切手代などの郵送費とは別にかかる、転送の作業費用。多くは月額に含まれるが、月額が極端に安い場合は別途かかることがある
- 年会費:事業者によっては、別途かかる場合がある
- 保証金は発生するか
- 預り金はあるか
- 郵便転送などの手数料は発生するか
- 更新費用が発生する場合、いくらか
契約の確認ポイント
最低契約期間はあるか
月額が安く見えても、ある程度長い契約期間が必要な場合があります。毎月払い・3か月払い・1年払いなど、支払い期間が長いほど、月々の料金が下がる事業者もあります。
最低契約期間などの条件は、公式サイトに明記されているのが望ましいですが、記載のない会社もあります。その場合は、電話やメールで、最低契約期間と条件を確認しましょう。
- 最低利用期間はあるか
- ある場合、期間はどれくらいか
- 途中解約の手数料は発生するか
サービスの確認ポイント
郵便物の転送回数は月何回か
バーチャルオフィスの住所サービスは、住所利用・法人登記・郵便物の受け取り・郵便物の保管に大きく分かれます。その中で、特に注意したいのが郵便物の転送です。法人として使うと、請求書や契約書など、重要な書類が届くことがあります。
特に重要なのは、請求書関連の郵便物です。転送が遅れると、支払期日を過ぎるなどの事故が起きる可能性があるため、こまめに転送してくれる事業者を選びましょう。転送の頻度は、事業者によってまちまちで、週1回のところ、月1〜2回のところ、転送が別途オプションのところもあります。
- 郵便転送料金は、郵送費のほかに手数料が発生するか
- いつ締めで、どのタイミングで郵送されるか
- 郵便物は月何回転送されるか
- 万が一のとき、郵便物を取りに行くことはできるか
- オプションを使えば、速達で送ってもらえるか
郵便物が届いたときの連絡はあるか
郵便物の受け取りサービスは、事業者によって異なります。重要なのは、郵便物が届いたときに連絡があるかです。連絡が標準で含まれる事業者もあれば、別途オプション料金がかかる事業者もあります。重要な書類が届いたことにすぐ気づけるよう、連絡がある事業者のほうが望ましいと言えます。
- 郵便物が届いたら、まず連絡があるか
- 連絡は、どのタイミングでされるか
法人登記ができるか
多くのバーチャルオフィスは、法人登記が可能です。ただし、まれに登記ができなかったり、登記が可能でも追加料金がかかったりする場合があるため、注意が必要です。
個人事業主でも、将来法人化する予定があるなら、法人登記ができる事業者を選ぶのがおすすめです。個人事業主から法人に移行するとき、名義変更などの手続きで手数料がかかったり、月額が変わったりする場合があります。
- 法人登記ができるか
- 法人登記によって、月額が変動するか
場所・設備の確認ポイント
有人か無人か
バーチャルオフィスには、無人のところもあります。それ自体は大きな問題ではありませんが、クライアントが予約なしで訪れたとき、誰もいないと、良い印象を与えない可能性があります。
また、無人の場合は、ポストにたまった郵便物を定期的に回収して転送するため、リアルタイムでの受け取り確認ができず、連絡が遅れる場合があります。来店での受け取りができない場合もあるため、事前に確認しましょう。
自宅から近いか・交通の便はよいか
バーチャルオフィスは、レンタルオフィスと違い、その場所のスペースを借りるわけではないため、場所はどこでもいいと思われがちです。しかし、実用面では、自宅から近く、交通の便が良い場所が望ましいです。郵便物をすぐ受け取りたいときや、緊急時に近いほうが便利だからです。
また、顧客との打ち合わせや会議室の利用でも、近くにあるほうが便利です。住所のブランドで選ぶことも大切ですが、将来のことを考えると、利便性も重要です。
会議室を借りられるか
バーチャルオフィスと、私書箱・住所だけを借りるサービスの大きな違いは、会議室などのスペースを借りられるかどうかです。打ち合わせが多少でもあるなら、会議室があるかは、選ぶうえで大きなポイントになります。多くの場合、会議室はオプションで、1時間単位で料金がかかります。
- 会議室を利用できるか
- 利用できる場合、料金はいくらか
- 会議室は最大何人まで収容できるか
作業スペースがあるか
最近は、時間単位で、レンタルオフィスやシェアオフィス・コワーキングを使えるサービスが増えています。バーチャルオフィスを使う場合、基本は自宅で作業することが中心ですが、作業スペースが必要になったとき、時間単位で借りられると便利です。
信頼できる事業者か見分けるサイン
料金やサービスに加えて、運営の信頼性も確認しましょう。目安になるのが、契約時に本人確認をきちんと行っているかです。
バーチャルオフィスなど、郵便物の受取サービスを行う事業者は、犯罪収益移転防止法にもとづき、契約時に本人確認を行うことが義務づけられています。本人確認が厳格な事業者は、詐欺などの悪用を防ぐ体制が整っていると言えます。
本人確認が緩すぎる事業者には注意
契約時の審査や本人確認が形だけの事業者は、詐欺に使われる住所となり、あなたの会社の信用にも影響しかねません。審査の有無や、本人確認の方法(書類提出・eKYCなど)を確認しましょう。
相談者結局、何を一番優先して選べばいいですか?
編集部まずは、自分の事業に必要な機能(法人登記・郵便転送の頻度・会議室など)を決めることです。そのうえで、総額で比べてください。
許認可が必要な事業なら、そもそもバーチャルオフィスが使えるかの確認が先です。
よくある質問
バーチャルオフィスを選ぶとき、何を一番重視すべきですか?
月額の安さだけでなく、入会金・保証金・転送手数料なども含めた総額と、自分の事業に必要なサービス(法人登記・郵便転送の頻度・会議室など)があるかを重視してください。許認可が必要な事業の場合は、バーチャルオフィスが使えるかの確認が先です。
入会金無料のキャンペーンを選んで問題ありませんか?
入会金が無料でも、月額が高い、保証金や預り金が別にかかる場合があります。入会金だけでなく、初期費用と毎月の費用を合わせたトータルで比べてください。
郵便物はどのくらいの頻度で転送されますか?
事業者によって異なります。週1回のところ、月1〜2回のところ、転送が別途オプションのところがあります。請求書など重要な郵便が届く場合は、転送の頻度と、受取の連絡があるかを、契約前に確認してください。
有人のバーチャルオフィスのほうがいいですか?
無人でも問題はありませんが、来訪者への対応や、郵便物のリアルタイムの受け取り確認、来店での受け取りが必要なら、有人のほうが安心です。無人の場合は、郵便の受取連絡が遅れる場合がある点を確認してください。
自宅から遠いバーチャルオフィスを選んでも大丈夫ですか?
契約自体は問題ありませんが、郵便物をすぐ受け取りたい、緊急時、会議室を使いたいといった場合は、近いほうが便利です。ブランド力のある住所だけでなく、利便性も考えて選びましょう。
まとめ:選ぶ前の確認は「総額・サービス・場所」の3点
バーチャルオフィスは、ビジネスパーソンや個人事業主にとって重要なサービスです。選び方を間違えると、思わぬトラブルが起きることもあります。契約前に、次の点を確認しましょう。
- 総額を確認する:入会金・月額・保証金・預り金・転送手数料・年会費を合計する
- 契約条件を確認する:最低契約期間、支払い方法、解約の手数料
- 郵便と登記を確認する:転送の頻度、受取の連絡、法人登記の可否と追加料金
- 場所と設備を確認する:有人か無人か、自宅からの近さ、会議室・作業スペース
- 事業者の信頼性を確認する:契約時の本人確認が、きちんと行われるか
